当会では、UVC LED(深紫外線LED)を活用した製品の事業化を目指し、その製品戦略を立案・実行するためのプロジェクトチームを発足いたしました。このプロジェクトは当会会員のビジネスにおける知見や課題を内外にシェアし、新事業を創造するための事業企画の第一弾となります。
本ページではUVC LEDの概要についてまとめおりますので、どうぞご確認くださいませ。
本プロジェクトについてご興味がおありの方、プロジェクトチームへのご参加をご検討の方は当会(contact@mba-promo.com)までお気軽にご連絡いただけますと幸いです。
※以下に掲載するデータ、文章の無断転載を禁じます。
Table of Contents
UVC LEDとは
紫外線(A~C波)のなかでも特に「殺菌・滅菌」に効果が高いとされるC波(深紫外線/波長:200-280nm)を照射するLEDのことを指します。現在各企業で事業化のための研究開発が進んでおり、現状で利用が見込まれている製品としては、浄水器、ウォーターサーバ、空気清浄機、製氷機、エアコンなどが挙げられます。
同様な効果を持つとされる「水銀ランプ」が国際的な条約により2020年以降輸出入が制限されることもあり、今後代替品としてUVC LEDの利用が加速度的に進むことが見込まれています。
UVC LEDの殺菌・滅菌効果について
殺菌・滅菌に効果が高いとされるUVCですが、なかでも265nm近辺の波長のUVCに特に高い殺菌効果(不活性化を含む)があるとされており、さまざまな研究成果により、DNAに作用し、細菌やウィルスを不活性化することが分かっています。また殺菌線照度と照射時間の調整により、作用範囲を調整することも可能です。
【水銀ランプとの比較によるUVC LEDのメリット】
長寿命 | 水銀ランプの2倍以上の長寿命化が可能です。 |
小型化が可能 | 低電圧での動作が可能なため、必要な電気回路をコンパクトにすることができます。 |
駆動待機時間の短縮 | 駆動まで10~30分の待機時間を要する水銀ランプと異なり、瞬時での駆動が可能です。 |
環境負担の軽減化 | 薬品や水銀を使わず、人にも環境にも優しい殺菌方法です。 |
単一波長 | 任意の波長を選択して照射できます。 |
温度影響の低減化 | 熱線を発しないため、周辺への温度影響を低減化できます。 |
UVC LEDのマーケットについて
UVC LEDと同様な効果を持つとされる「水銀ランプ」の利用規制により、今後代替品としてUVC LEDの活用が多分野で飛躍的に拡大することが見込まれています。なかでも殺菌・滅菌の分野において最も成長が期待できるとされており、2021年の市場規模は5億USドル以上に達する見込みです。
※縦軸は百万USドル。薄緑色が殺菌・滅菌を用途とした市場規模を示しています。
UVC LEDを取り巻く状況について
現状のUVC LEDの活用事例(開発段階のものを含む)としては、浄水器、ウォーターサーバ、空気清浄機、製氷機、エアコンなど、生活に密着した民生品から、水質浄化プラントなどの大型インフラ設備まで多岐にわたっており、各企業による研究開発も非常に活発な状況にあります。
また現在、UVC LEDの照射技術は研究開発の途上期にあるとも言え、照射モジュールの小型化や高性能化、そして低価格化が日進月歩で進んでいる状況です。そのため、技術の進展と新たなアイデアを組み合わせることによって、様々な新規商品開発の可能性がある状況となっております。